技術開発部で初めて大きな成果を上げたのが、当社主力製品のひとつである農薬「ICボルドー」です。
フランス南西部、ワインの産地で有名なボルドーにて、ブドウ栽培のために100年以上前から使われている「ボルドー液」を「もっと便利なものにしたい」という発想から開発が始まりました。
銅の副産物である硫酸銅と水に溶かした石灰を混ぜたボルドー液は、農薬として大変優秀ですが、それぞれの混合方法が難しく良質な農薬を作るのには熟練の技が必要です。
当社で試行錯誤を繰り返し、硫酸銅と石灰乳を事前に撹拌してペースト状にし、使用時に水で希釈するだけにした「ICボルドー」を1994年に発売するに至りました。1984年の研究開始から10年の月日を要しました。
便利で殺菌効果も高く、さまざまな果実や野菜に適用するため、全国の農薬販売店から注文が相次ぐヒット商品になり、海外へも流通しています。
天然由来の農薬として、ＪＡＳ法有機栽培に適しているため、食品の残留農薬問題を抱えている諸各国にて好評を得ています。

ICボルドーの実績で、「開発とは時間と資金を要するものである」という認識がしっかり根付いています。そのため、研究開発部門のメンバーが、焦らずじっくり自由な発想で能力を活かすことができます。